那智の扇祭りは熊野那智大社の例大祭。
神武(じんむ)天皇(日本の初代天皇であり皇統の祖と言われている)が熊野に上陸した時に那智の滝を発見し、滝そのものを神として祀った。その後、仁徳(にんとく)天皇5年(317年)に那智山中腹に社殿を造営し、神々を遷(うつ)した。これが現在の「熊野那智大社」であり、那智の滝は別宮「飛瀧(ひろう)神社」となった。この滝は落差133mを誇り「日本の滝名選100」や「ユネスコ世界遺産」にも登録されており、また滝自体が信仰の対象となっている珍しい神社だ。
「扇祭り」は、熊野那智大社に祀られた神々が12基の扇神輿に乗って元々祀られていた那智の滝へ里帰りをするという神事だ。白装束の氏子たちが燃え盛る約50kgの大松明を担いで勇壮に参道の石段を練り歩く。この荘重な祭りを一目見ようと全国から多くの観客がつめかける。
祭りのクライマックス、大松明に点火される御火行事は滝前の参道で午後2時から行われる。こちらは大変込み合うので、早めに滝前の参道で見物できる場所を確保して待った方がよい。
Picture provided by Kumano Nachi Grand Shrine
神事のため、祭典進行の妨げは厳禁
[最寄り駅]
JR紀伊勝浦駅
会場
熊野那智大社・飛瀧神社
紀伊勝浦駅より熊野交通バス 「那智山」下車
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町(なちかつうらちょう)那智山