「神道(Shinto)」とは、遥か昔から受け継がれてきた日本特有の信仰のかたち。農耕や漁労など自然の恵みとともにある日々の暮らしの中で、山や川、木や岩などあらゆる自然物に神が宿ると捉え、日本全国その土地土地でそれぞれの“神様”を信仰するようになったものだ。
世界の他の宗教のように唯一神の存在を崇めるわけではなく、神道には決まった説教もルールもない。しかし、日本人は自分たちの暮らしを支える自然の中に“神様”を見出し、尊い存在として祈りを捧げてきた。「八百万(やおよろず)(非常に多くの、無数の)の神々の国」といわれる所以だ。本来の日本における神々は自然物であったり形のない存在だが、神話では擬人化されていることもある。
【記事制作にあたってお話を伺った方】
ウィルチコ・フローリアンさん(Wiltschko Florian)
1987年、オーストリア・リンツ生まれ。幼い頃から日本に興味を持ち、書物等で知識を深める。14歳の時に家族とともに観光で初来日した際に神社仏閣も訪れ、ますます関心を高めていく。2007年、名古屋市の上野天満宮に入り、住み込みで神職の道を学ぶ。その後母国に戻りウィーン大学日本学研究所を卒業後、再び来日し、國學院大學神道学専攻科に入学。専門課程を経て、2012年に渋谷区の金王八幡宮の神主(権禰宜)に任命され、4年にわたり務める。2016年5月からは三重県津市の野辺野神社にて神職に従事する。