神社が主催する祭りは非常に多く、祭りの際はぜひその神社に行って「お参り」してみるとよいだろう。
「お参り」とは参拝のことで、「ここに参りました」ということをその神社に祀られている神様にお伝えするもの。その気持ちを表す行為が神社参拝の作法、つまり、心と形のバランスがとれた神様へのご挨拶の方法なのだ。そのため、気持ちなしに形だけを習っても意味がない。
ついつい美しい社殿や鳥居を写真に収めることばかり考えたくなってしまうかもしれないが、フォーカスを合わせる前に、手を合わせよう。この神社の神様にご挨拶をしに来た、という気持ちをしっかり持って、この作法を参考に参拝してみてほしい。
① 参道の歩き方
参道の真ん中は避けて歩こう。真ん中は神様の通り道だ。
② 鳥居のくぐり方
大事な方のおうちにお邪魔する気持ちで、軽い会釈をしてから。
③ 門のくぐり方
門の敷居は必ずまたぐこと。決して踏みつけてはならない。敷居は本来、外の世界と神社の境内を分ける結界であり神聖なものだったからだ。また、踏みつけた分敷居は劣化してしまうため、ものを大切に扱う気持ちの表れでもある。
【記事制作にあたってお話を伺った方】
ウィルチコ・フローリアンさん(Wiltschko Florian)
1987年、オーストリア・リンツ生まれ。幼い頃から日本に興味を持ち、書物等で知識を深める。14歳の時に家族とともに観光で初来日した際に神社仏閣も訪れ、ますます関心を高めていく。2007年、名古屋市の上野天満宮に入り、住み込みで神職の道を学ぶ。その後母国に戻りウィーン大学日本学研究所を卒業後、再び来日し、國學院大學神道学専攻科に入学。専門課程を経て、2012年に渋谷区の金王八幡宮の神主(権禰宜)に任命され、4年にわたり務める。2016年5月からは三重県津市の野辺野神社にて神職に従事する。