どんぎは、火の用心のために行われる火防の儀式の一部として催される。読経などのお祈りが終わると、ここからが祭りのハイライト。神の遣いとされる白狐や天狗の面をかぶった男たちが、撞木(鐘などを打ち鳴らす棒)や八つ手の団扇を持って町の子どもを追いかけ回す。捕まった子どもたちは、撞木に染みこませた紅ガラと呼ばれる紅い塗料を、手や顔いっぱい塗りつけられる。厳かな装束を身にまとった白狐や赤天狗、青天狗は、神々しい中にも若干の恐怖を感じさせ、その姿に泣きじゃくって逃げる子もいるほどだ。舞台は長松寺とその周辺。町なかのあちこちで、塗られるのが嫌な子どもたちと白狐や天狗の壮絶なおいかけっこが繰り広げられる。ただ、「紅ガラを塗られた人は一年を健康に過ごせる」という言い伝えがあり、縁起ものとして大変ユーモラスな奇祭だ。幼い子どもを抱き上げて、塗って貰おうとする親の姿も微笑ましい。おもしろがる子、怖がる子、泣いてしまう子、みんな最後は顔を真っ赤にして、笑顔で祭りをしめくくる。
白狐や天狗にペイントされる子どもたちの豊かな表情も見どころ。全力疾走で元気いっぱいに逃げ回る姿や、大きな声ではしゃぐ姿は、町中を明るくさせる。観光客はその光景を写真に収めようと必死になって追いかける。子どもたちの表情一つひとつに注目してみよう!
豊川市へのアクセス
[最寄り駅]
JR東海道本選:「愛知御津」駅
会場
豊川市御津町下佐脇北浦17-1
「愛知御津」駅から徒歩15分