安久美神戸神明社の例祭「豊橋鬼祭」は、毎年2月10、11日に行われる奇祭だ。神社は940年に創建されたと伝えられており、それ以降に始まったとされる豊橋鬼祭は1000年以上続く歴史ある祭りだ。
最大の見所は2日目の「赤鬼と天狗のからかい」で、日本の神話をもとにした田楽(踊りや曲芸などの民族芸能)が行われる。気性が荒く悪戯好きの赤鬼と、武道を司る天狗の、ユーモアあふれる闘いが繰り広げられ、敗れた赤鬼は償いのため「タンキリ飴」と白い粉(小麦粉)をまきながら町へ飛び出していく。この「タンキリ飴」は、大豆・胡麻・生姜などを混ぜて作られたもので、この飴を食べて、一緒にまかれる白い粉を浴びれば厄除けになり、夏に体調を崩さないと言われている。この地方に春を告げる、ユーモラスな祭りだ。
豊橋鬼祭で一番の盛り上がりを見せる「赤鬼と天狗のからかい」。その昔、日本神話における天上の国(神様たちが住む国)で悪戯ばかりしていた神(赤鬼)を、武神(天狗)がこらしめるという神話を田楽に取り入れて、二人の神の戦いが巧妙に演じられる。敗れた赤鬼が改心し、平和的に解決することも、この祭りが愛される理由だろう。
「赤鬼と天狗のからかい」で敗れた赤鬼は、償いのために境内を出て町中をかけまわり、道行く人にタンキリ飴をふりまく。飴と一緒にまかれる白い粉を浴びると夏病みしないとされており、この粉を浴びようと人びとが先を争うように粉まみれになる様子が、この祭りが奇祭とされる由縁だ。ぜひ体験してみよう!
安久美神戸神明社
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神事の際は会場を警備する人の指示に従って見物すること。
「赤鬼と天狗のからかい」では粉まみれになるため注意すること。
境内の瓶などに上らないこと。
豊橋市へのアクセス
[最寄り駅]
豊橋鉄道市内線「豊橋公園前」電停
会場
安久美神戸神明社
住所:愛知県豊橋市八町通(はっちょうどおり)3-17
豊橋公園前電停から徒歩2分