【ユネスコ無形文化遺産】角館祭りは1600年代から始まった、神社と寺が合同で行う日本でも珍しい祭りである。
祭りでは侍の人形を頂上に飾り付け華やかな装飾を施した高さ約4メートルにも及ぶ「曳山」と呼ばれるフロートカーが主役だ。18台もの「曳山」はそれぞれ数十人の地元民が綱で引いて神と仏に祈りを捧げるため町中を練り歩く。それに合わせ軽快なテンポの祭り用の音楽が演奏され、街の美女たちが着物に身を包み、伝統的な踊りを舞い続ける。祭りの最高潮は「曳山」の通行の優先権をめぐって、男たちが「曳山」同士をぶつけあう「やまぶっつけ」だ。数十人の男たちが入り乱れて、巨大な「曳山」をぶつけあうその勇壮な光景は、400年以上前から変わっていない。
角館祭りのハイライトは「やまぶっつけ」。「曳山」の通行の優先権をめぐり男たちが話し合うが、決裂する。そのため、「曳山」同士をぶつけあう実力行使にでる。これは「やまぶっつけ」と呼ばれ、祭りは最高潮を迎える。勇壮で情熱的なその光景は人気が高く、日本古来の照明装置「提灯」に照らされた真夜中の曳山は、まるで神仏の魂が揺れているようである。
※7日の夕方は、神社に向かう曳山が連なり、いろんな曳山を見ることができる。
神仏への参拝と地元の殿様へのお披露目を目的とした曳山には、「飾山囃子」と呼ばれる祭り用の音楽が途絶えることはない。演奏者は台車に乗り込み、各種の日本の伝統楽器を用いて演奏する。「飾山囃子」には多くの流派があり、各曳山によって曲の節々が異なるのも魅力の一つだ。
角館祭りでは「飾山囃子」に合わせて、着物に身を包んだ地元の美女たちの踊りも必見。息の合った舞は、二人が重なって見えるほどだ。艶やかな踊りの演出は、激しい祭りの中に「静」の美しさを添えてくれる。
祭りの雰囲気を感じながら、角館の伝統である工芸品や料理も楽しんでほしい。山桜の樹皮を使って磨き上げた工芸品「樺細工」は、茶筒や小箱などに用いられお土産としても人気が高い。「御狩場焼」は、鶏肉と季節の野菜を山椒味噌で味つけて焼いた料理である。かつての殿様が狩りの場所で焼いて食べたことから名づけられた。町の伝統まで深く浸りたい方にはおすすめである。
曳山の運行時、激突時は近寄らないようにすること
(重量が約7トンあるため、ケガをする恐れがある)
仙北市へのアクセス
[最寄り駅]
JR秋田新幹線 「角館」駅
[最寄りバス停]
羽後交通 「駅前」バス停
会場
仙北市角館町 町内全域
角館駅から町中まで徒歩で1分程度