「上総十二社祭り」は、大同二年(807年)に始まったとされる、1200年の歴史を誇る祭り。「裸祭り」(神輿を担ぐ姿が裸に近いため)の名前で親しまれ、房総半島を代表する「海の祭り」として千葉県の指定無形民俗文化財になっている。
この祭りは、玉前(たまさき)神社の祭神である玉依姫命(たまよりひめのみこと)とその一族の神々が房総半島に上陸したとされるゆかりの場所、釣ヶ崎海岸を舞台に、年に一度、その神話の物語を再現し、神々の再会を地域の人びとが祝う神事として受け継がれてきた。
祭りの当日は、一宮町を中心に近隣5市町村から神輿と約1000名の若い衆が担ぎ手として集まり、一宮町内ルートを練り歩く。ハイライトは、釣ヶ崎海岸の祭典場を目指して、神輿を担いだ大勢の裸の若い衆が九十九里の大海原を疾走する場面。老若男女が集い、地元の人も観光客も一体となって盛り上がる壮大な祭りだ。
「上総十二社祭り」が海の祭りといわれる所以である、釣ヶ崎海岸の祭典場を目指し神輿が海岸を行く場面がこの祭りのハイライト。全長8kmにおよぶ九十九里の浜を、馬に導かれ、裸に近い格好をした大勢の若い衆が神輿を担いで駆け抜ける。数百キロの重量の神輿を代わる代わる力を合わせて担ぎ、スピード感あふれる疾走をみせる姿は圧巻!
近隣5市町村の神社から集まり、海岸を駆け抜けてきた9基の神輿と人びとは、神話の舞台、かつて神々が上陸したとされる釣ヶ崎海岸の祭典場に集結する。そして、威勢のいい掛け声とともに一斉に神輿を高々と掲げ、年に一度の神々の再会を盛大に祝う。自然の中に神の存在を見出し、共に暮らし、その伝統を受け継いできた日本人の精神を見ることができるだろう。
神輿の担ぎ手として参加する場合、肌を露出するため刺青・タトゥーがある方は上着を着用すること。
見学のみの場合は、節度ある行動であれば特になし。また、神輿の列に巻き込まれ怪我をする場合があるため注意が必要。
千葉県長生郡一宮町へのアクセス
[最寄り駅]
JR外房線 上総一ノ宮駅
会場
・上総国一之宮 玉前神社
住所:千葉県長生郡一宮町一宮3048
※駅のタクシー乗り場から5分程度
・釣ヶ崎海岸・祭典場
住所:千葉県長生郡一宮町東浪見
※玉前神社から無料送迎バスが定期的に運行する