「お熊甲祭」は、久麻加夫都阿良加志比古神社(通称:熊甲神社)の大祭で、毎年9月20日に行われる。一年の五穀豊穣に感謝する祭りだ。
町内19の神社から繰り出した神輿を先導するのは、鼻が長く顔全体が赤い「猿田彦」という神だ。さらに高さ20メートルにおよぶ深紅の巨大な旗や道具を従え、大きな掛け声と賑やかな太鼓や鐘の音とともに、熊甲神社(本社)に参入。拝殿に入ると、若い男たちが太鼓や鐘を打ち鳴らし、それに合わせて猿田彦が乱舞し、トランス状態になるのだ。
その後は本社の神輿を先頭に、境内から700メートルほど離れた加茂原へ移動する。そこで練りや巨大な旗を地上すれすれまで傾ける「島田くずし」と呼ばれる大技も披露され、祭りの盛り上がりは最高潮に達する。
町内の19の神社から神輿や人びとが隊列を組んで集い、熊甲神社に参入してくる様子は壮観だ。集落によってリズムも異なる鐘や太鼓の揃い打ち、それに合わせて乱舞する猿田彦の姿など、独特の雰囲気を味わってほしい。
祭りのハイライトは、加茂原の広場で行われる「島田くずし」。緑の山々を背景に高さ20メートルもの巨大な深紅の旗が数十本も林立。それらの旗を男たちが地面すれすれまで横倒しにする技を競い合う様は、迫力満点!かつてはこの「島田くずし」が上手にできない集落には娘を嫁がせないとまで言われていたほど、プライドをかけた勝負なのだ。
この祭りの先導役として重要な役割を担う日本古来の神「猿田彦」の舞にも注目だ。鼻が長く顔全体が赤い異形の神が、鐘や太鼓の音に合わせて乱舞する様は見逃せない。
巨大な旗は危険なため、あまり近づきすぎないようにすること。
石川県七尾市中島町へのアクセス
[最寄り駅]
のと鉄道七尾線 能登中島駅
※駅から会場までシャトルバスあり
[飛行機の場合]
能登空港(のと里山空港)から「ふるさとタクシー」に乗車して中島町まで。
※ふるさとタクシーは要予約
会場
熊甲神社
住所:石川県七尾市中島町宮前