金沢百万石まつりは、加賀藩祖前田利家公が天正11年(1583年)6月14日に金沢城に入城し、金沢の礎を築いた偉業を偲んで年に一度開催されるお祭り。メインの百万石行列は、勇壮な前田利家公入城行列を中心に、多彩な演技を交えながら金沢駅前から金沢城公園へと行進する。沿道は行列を見る大勢の市民や観光客でにぎわう。
その他、夜に約1万人が通りを埋め尽くして行われる「百万石踊り流し」、兼六園周辺のお茶席で金沢のお茶文化を体験できる「百万石茶会(ちゃかい)」、金曜の夜に浅野川を幻想的に彩る「加賀友禅燈ろう流し」など、様々な催しが3日間で行われる。
土曜日の14時頃、祭りのメインとなる百万石行列の出発式が金沢駅前で行われる。金沢駅は駅前に建つ巨大な門とドーム型の建築が世界的に評価されるユニークな駅で、その建築をバックに伝統的な様々なパフォーマンスが繰り広げられ、大名行列が金沢城をめざして出発していく様は壮観。沿道は大勢の人びとでごった返すので注意。
百万石行列では、絢爛豪華な衣装を身に着けて登場する主役の前田利家公とその妻であるお松の方(毎年、芸能人が役に扮する)をはじめ、金沢が栄えた江戸時代の様々な身分に扮した人びとが行列をなして歩く。そのユニークな衣装や伝統的なパフォーマンスを見るだけでも、当時にタイムスリップしたような感覚になるだろう。
行列の終着地は金沢城。前田利家公の入場を祝って、伝統の「加賀とび」(江戸時代に高い梯子に登って火事を消した消防隊)や様々なパフォーマンスが繰り広げられる。まるで城の主を迎え、当時の華やぎが戻ったような感動のフィナーレを迎える。
メインの百万石行列を終えた土曜日の夜、まだまだ祭りの熱気は冷めない。18時~20時には市内の企業や団体などから100チーム近いグループが参加し、浴衣に着飾った大勢の人びとが道路を埋め尽くして踊る「百万石踊り流し」が行われる。その数なんと約10,000人!沿道で見物する観客をあわせると10万人以上の人出となり、街中が華やかに彩られる金沢の夜をぜひご覧あれ。
土曜日と日曜日の午前8時30分~午後4時まで(受付は午後3時まで)、金沢を代表する観光地である日本庭園・兼六園の中の「時雨亭」では、伝統的なお点前(お茶を点てる作法)を披露する「百万石茶会」が開かれる。戦国~江戸時代にかけて、武士から町民に至るまで幅広い層の人びとがお茶の作法を身につけるほど、金沢に花開き現代に受け継がれる優雅なお茶文化を体験してみては。
チケット:一席1,500円 ※満席で入れない場合あり
祭りの初日となる金曜日の夜19時頃から21時頃まで(雨天の場合延期)、市内を流れる浅野川の天神橋から浅野川大橋間では「加賀友禅燈ろう流し」が行われる。このイベントは「水の芸術」とも言われる加賀友禅(金沢の伝統工芸技法)の継承・繁栄を願い行われる。約1200個もの加賀友禅作家が描いた燈ろうが浅野川を彩り、幻想的な世界が広がる。金沢の初夏を告げる風物詩に酔いしれて。
Picture provided by Kanazawa City
行列を見学する際には沿道にて観覧し、道路に侵入しないでください。
金沢市へのアクセス
[最寄り駅]
JR金沢駅(北陸新幹線・北陸本線)
会場
・JR金沢駅
石川県金沢市木ノ新保町2
※メインの百万石行列は金沢駅前からスタートします
・金沢城公園
石川県金沢市丸の内1-1
・兼六園
石川県金沢市兼六町1
※金沢城と兼六園は隣接
→路線バス
金沢駅兼六園口(東口)、⑥・⑦番乗り場から乗車。「兼六園下・金沢城」バス停で下車し、徒歩すぐ。
・浅野川大橋
→路線バス
金沢駅兼六園口(東口)、⑦番乗り場から乗車。「浅野川大橋」もしくは「橋場町」バス停で下車し、徒歩すぐ。