新潟県の無形民俗文化財で、県の三大祭りの一つに数えられる「村上大祭」は、毎年7月6日(宵祭り)から7日(本祭り)にかけて行われる羽黒神社の祭礼。三基の神輿に御神霊(神様)を奉遷(神体を移すこと)し、先太鼓を先導とする長い行列が各町内を巡る「お旅神事」(祭り行列)である。特に、見事な彫刻と伝統の漆、金箔、銀箔を施した絢爛豪華な「おしゃぎり」と呼ばれる巨大な屋台(山車)が19台も集い、市の中心部を巡る様子は一番の見どころ。「おしゃぎり」の中には200年以上前に作られたものもあり、荘厳な美しさだ。
祭りの歴史は、寛永十年(1633年)、旧暦6月7日に元羽黒(羽黒神社始まりの地)から現在の場所に新しい社殿が完成し、御遷宮(神社を移した)した際に、町の人たちが荷車に乗せた太鼓を打ち鳴らしながら町を練り歩いたのが始まりといわれている。
7月7日の午前8時頃から、羽黒神社に集合した各町の19台のおしゃぎり屋台が、それぞれ自慢のお囃子を奏でながら出発する。おしゃぎり屋台は高さが5m以上あり、車輪も1.7mにもなる巨大な山車で、繊細な彫刻とこの地方伝統の漆塗りが施された壮麗な造り。19台ものおしゃぎり屋台が集い、人びとのお囃子とともに上下左右にうねりながら町中を進む姿は圧巻の光景で見逃せない。
7月7日の午後6時30分頃から、おしゃぎり屋台には提灯の明かりが灯り、午後10時の祭りのフィナーレに向かって夜の町を練り歩く。提灯に照らされ夜の町に浮かび上がる屋台の姿は、これまた風情たっぷり。町の人も、外から来た観光客もいっしょになって、祭りの終わりを惜しみつつ、この光景に見入っている。
7月6日~8日までの期間、村上市役所の周辺には約300軒もの露店が登場する。様々な種類の店が出るので、いろんな味を楽しんでみるのもいいだろう。
特になし
村上市へのアクセス
[最寄り駅]
JR羽越本線村上駅
西奈彌羽黒神社
住所:新潟県村上市羽黒町6-16
村上駅から車で5分、徒歩で20分。
日本海東北自動車道「村上瀬波温泉IC」から車で3分。駐車場あり
※祭りは市内各地を巡行するため、時間により開催場所が異なる