「火ふり祭」は8月14~15日、お盆の夜空を彩る夏の風物詩。日野町(ひのちょう)上野田(こうずけだ)にある通称「ひばり野(口の宮神社)」で行われる奇祭。
夜になると、上野田の氏神(地域を守る神様)である五社神社で松明に火がつけられ、その年の日野祭(5月に行われる日野で最も大きな祭り)のお稚児さん(祭りで選ばれた少年)3人を中心に、松明の行列がひばり野へ向かう。ひばり野へ到着後、太鼓の合図とともに百数十本の松明が松の木に投げ上げられる。松の木に松明が多く引っ掛かりたまれば、その年は豊作といわれている。多くの松明が一斉に弧を描いて夜空に舞い松を燃やす、勇壮な火の祭典だ。五社神社の火災により伝承録も失われたため起源は不明だが、祖先の霊を慰め、豊作を祈願して現在まで受け継がれている祭りだ。
14日は19時30分から、15日は20時から、祭礼が始まる。多くの町民が運んできた松明がひばり野に到着し、太鼓の合図とともに一斉に松明が巨大な松の木めがけて投げ上げられる。100本を超える松明の炎が宙を舞い、夜空を染める様は壮観だ。松の枝に松明がかかると歓声や拍手が沸き起こる。老若男女が一体となって盛り上がる、この地特有の奇祭だろう。
Picture provided by Hino Town Tourist Association
火のついた松明が宙を飛び交うため、注意して見物すること。投げられた松明が落ちてくるため、松の木の下には決して近づかないこと。
蒲生郡日野町へのアクセス
[最寄り駅]
近江鉄道日野駅
会場
ひばり野(口の宮神社)
住所:滋賀県蒲生郡日野町上野田
<路線バス>
日野駅から「近江鉄道バス日野~八幡線」に乗車、「日野高校前」バス停下車。徒歩すぐ。