「秋葉神社」と名前のつく神社は、全国に400箇所ほど存在し、その総本宮がこの祭りの舞台となる「秋葉山本宮秋葉神社」である。防火の神様として有名なこの神社には、日本全国から、火を扱う仕事(消防士や火力発電所など)の従事者がお参りに来る。12月16日、冬の夜に行われる秋葉の火まつりの見どころは、この神社だけに伝わる秘伝の3つの舞だ。まず、弓と5本の矢を用いる「弓の舞」。そして次に、鈴と剣を用いて舞う「剣の舞」が奉納される。最後は、神社の明かりを全て消し、火のついた松明を振りかざす「火の舞」だ。これらの舞には、火難や水難、厄災をお祓いする祈りが込められている。真冬の山中は寒さも厳しいが、晴れればきれいな星空の下で、厳かな雰囲気の舞を見ることができる。
16日の22時から神社の一室にて3つの舞が始まり、それぞれの舞は1人の神職によって行われる。初めは「弓の舞」で、神職は弓と5本の矢をもち、笛と太鼓の音で舞う。舞がおわると、5本の矢を、東西南北の方向と境内の天井に向けて放つ。この矢がうまくあたれば、来年も豊作であると言われている。
2番目の「剣の舞」では、神職が左手に剣を、右手に鈴をもち、地上の精霊をなだめ、悪魔を抑えるために舞う。さらに、右手の鈴を剣に持ち替え、両手の剣を振りかざし舞うことで、人々の罪や穢れを切り払う。
いよいよ最後は「火の舞」だ。これまで境内を照らしていた明かりは全て消され、暗闇の中から火のついた松明が運ばれてくる。神秘的な空気の中、神職が松明を受け取ると、笛の音を合図に舞が始まる。この舞では、体を回転させながら松明を上下に振るため、炎が暗闇の中で踊っているように見える。古くから、火を用いたお祓いは塩や水よりも強いと言われ、様々な厄を祓うことを祈りながら、秋葉の火まつりは幕を閉じる。
写真撮影は可能だが、フラッシュ撮影は控える。
夜中に行われるため、懐中電灯と防寒着が必要。
最寄り駅 西鹿島(にしかしま)駅、
路線名: 遠州鉄道(えんしゅうてつどう)
秋葉神社へのアクセス
西鹿島駅から上社直通バスへ乗り換え
12月15・16日は往復で1回のみ運行
往:西鹿島駅 10:00発 ~ 上社 10:57着
復:上社 13:30発 ~ 西鹿島駅 14:42着
火まつりの時間にはバスがないため、タクシーかレンタカーが必要。
・秋葉神社の住所
静岡県浜松市天竜区春野町領家841