八戸えんぶりは約800年前から続く民俗芸能だ。太夫と呼ばれる舞手が、種まきや田植えなどの動作を舞で表現し、豊作を祈願する祭りだ。太夫の特徴はきらびやかなかぶりもの、烏帽子だ。本来、烏帽子は日本の男性が正装をする際にかぶる帽子で、黒い色のものが多い。しかしこの祭りで用いられるものは馬の頭を表しているといわれ、きらきらと輝く装飾が施されている。太夫が首をふりながら舞えば、烏帽子が美しくきらめき、見るものを惹きつける。太夫の舞の合間には、子どもたちによる祝福芸も行われ、かわいらしくにぎやかな舞が披露される。祭りには、毎年30組ほどのえんぶり組が集まり、期間中は街のあちこちでえんぶりを披露している。昼は華やかに、夜は神秘的に感じるえんぶりの雰囲気は両方見ておきたい。
農具を使って田んぼの土を平らにならすことを「摺る」ということから、この祭りでは、踊ること自体を「摺る」という。この舞には、春の訪れに向け神様を起こし、田に魂を込める意味があるのだ。祭りの初日、17日の10:00〜11:20には、太夫が行列を組み、まちを練り歩く。このときだけは、すべてのえんぶり組が中心街に集まり一斉に摺る。その勇壮な姿は祭りの見所の一つと言っても良いだろう。
太夫の舞の合間には、子どもたちも様々な舞を披露する。この日のために大人に混じって練習をしてきた舞で、会場に賑やかさを加えてくれる。子どもたちの無邪気な姿をみれば、思わず笑みがこぼれる。
祭りの期間中は18時から20時まで1時間ごとに3回、「かがり火えんぶり」が市民広場にて行われる(18日は18時、19時30分からの2回)。烏帽子には福の神や鯛、鶴、亀などの縁起物が描かれ、金、赤、緑の華やかな装飾が施されている。夜の暗闇に太夫が首を振るたび、烏帽子がきらりと光り、その美しさに引き込まれる。
「お庭えんぶり」(予約制・有料2100円)と呼ばれるえんぶりは、「更上閣」という歴史的な建築物の庭園で行われるため、さらに幻想的に見える。観覧チケットは電話(0178-41-1661)での購入になっているので、気になる人はお早めに!
寒いので温かい服装で観に行こう。
・八戸市庁前市民広場の住所
青森県八戸市内丸1丁目1-1
会場へのアクセス
最寄り駅: 本八戸駅駅、
路線名: JR八戸線線
本八戸駅から徒歩約10分
最寄りバス停: 三日町停
路線名: 中心街方面行など
三日町バス停から徒歩約3分