「勝山左義長まつり」は、奥越前(福井県の東北部)の勝山に春の訪れを告げる祭り。300年以上の歴史をもつ。
祭りの1週間前から町中に色短冊が飾られ、祭りの雰囲気が盛り上がり始める。当日は、勝山市街地の各町内に12基の櫓が立ち、その上で赤い長襦袢姿(着物用の下着)の大人と子供たちが笛や三味線などによる軽快なリズムとお囃子にあわせて、独特のおどけた仕草で浮かれて踊る。この様が全国でも「勝山左義長まつり」だけの特徴で、奇祭と呼ばれる所以だ。
日曜の夜には各町内から御神体(神様が宿る松飾り)が九頭竜川弁天緑地に運ばれ、祭りのフィナーレを飾る「どんど焼き」が始まる。午後9時、神明神社で採火した御神火の松明によって御神体に火がつけられる。冬空を染める炎によって神様を送りつつ、五穀豊穣を祈願しながら2日間の祭りが幕を閉じる。
町の中に建つ12基の櫓の上では、笛・三味線・鉦の音と「蝶よ花よ~」の唄に合わせて、おどけた仕草で太鼓を叩く「浮き太鼓」を見ることができる。迫力ある大人のお囃子だけでなく、子供たちによる可愛らしいお囃子も必見。祭りの日、勝山の町に響き渡るユニークなお囃子を堪能しよう!
勝山左義長まつりで人気が高いのは、各区が作る独特の「作り物」。日常の生活用具を素材にして、その年の干支にちなんだ作品を即興で作り上げるものだ。掃除用具、大工道具、農作業具、履物など、同じジャンルの素材を組み合わせて作られる、素朴で想像力溢れる「作り物」を見に行こう。
祭りの2日目の午後9時、14基ある御神体に一斉に御神火を灯す「どんど焼き」が行われる。「どんど焼き」とは、御神体に招いた神様を天に見送る神事だ。松や竹で作られた14基の御神体が夜空に燃えさかる様子は実に壮麗。祭りのフィナーレを飾る、大迫力のどんど焼きは必見だ。
櫓やお囃子の撮影を近距離で行わないようにすること。
どんど焼きは危険が伴うため近づきすぎないようにすること(係員の指示に従うこと)。
勝山市へのアクセス
[最寄り駅]
えちぜん鉄道 永平寺・勝山線「勝山」駅
会場
住所:福井県勝山市
勝山駅降車後、勝山橋を渡ってすぐ(徒歩約5分)。