「田代の風流」は、福岡県南部に位置する八女市・黒木町田代で行われる伝統行事。その歴史は約240年前の江戸時代にまで遡り、八龍神社の再建に伴い奉納された「風流」(華やかな衣装をまとい笛や太鼓の演奏に合わせ群舞すること)を起源とし、現代にまで受け継がれている。
大名行列を組むのは皆男性で、白塗りの顔に女装をし、様々な役に扮してユーモラスな踊りで沿道の目を楽しませる。なぜ男性ばかりかというと、八龍神社の神様が女性だからだそうだ。
祭りは太皷の打ち鳴らしから始まり、持ち回りで担当する「座元」と言われる家から八龍神社までの道のりを、神輿と共に大名行列が練り歩く。八龍神社に到着し、太皷の舞い踊りを奉納して祭りは終了。冬の山里は笑い声に包まれる一日となる。
「田代の風流」では、男性が仮装をし、途中舞い踊りをしながら八龍神社までの道のりを練り歩く。女装をした者や、おどけた化粧を施している者など、約50名もの一団は、見ているだけでも面白い。
仮装行列では先頭を切る道化の男女役にご注目。コミカルな踊りと口上に、見物客から漏れるクスクス笑い…代々伝わるこの口上、実はちょっとエッチな内容!
道化役は、腰につけた瓢箪から見物客に酒を振る舞うことも。タイミングを見計らって、お酒をもらってみよう。
仮装行列では、威勢のよい掛け声に合わせて一斉に毛槍の投げ渡しが行われる。竹竿の先に房をつけた毛槍の長さは約4m。これを倒すことなく、全員でタイミングを合わせ、前後の人と槍を投げ渡して交換しながら行列を進める様はサーカスさながら。冬空に映える妙技をご覧あれ。
仮装行列の賑やかさとはうって変わった、太鼓奏者の力強い舞は真剣そのもの。太鼓奏者は頭部にシャグマと呼ばれる飾りをつけ、それを振り回しながら力強いステップで太鼓を打ち鳴らす。
両手には房のついたバチを持ち、豪快に踊りながら演奏する、躍動感あふれる舞を見守ろう。数名が交代で奉納するこの打ち鳴らしは、終わった者は肩で息をしているほど勇ましいもの。
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八女市ホームページ
お祭りを見学する際は、通行車両に十分に注意する。
八女市へのアクセス
[最寄り駅]
JR鹿児島本線 羽犬塚駅
会場
八女市黒木町田代地内
JR羽犬塚駅よりタクシー乗り継ぎで約50分
八龍神社
住所:福岡県八女市黒木町田代1269