【ユネスコ無形文化遺産】200年を超える歴史を持つ、この地域の伝統行事。飛幡(とびはた)八幡宮2基(東大山笠、西大山笠)、菅原(すがわら)神社(天籟寺大山笠)、中原(なかはら)八幡宮(中原大山笠)の合計4基の大山笠が祇園祭に奉納する。日本の重要無形民俗文化財に指定されており、福岡県の夏の三大祭りの一つとして「提灯山(ちょうちんやま)」の愛称で親しまれている。
江戸時代にこの地域で疫病が蔓延した際、須賀大神(すがおおかみ)に疫病退散を祈願したところ、見事病気が治ったため、山笠を作り祝ったことが起源とされている。
昼間は幟山笠(のぼりやまがさ)で、夜には提灯山笠へと変わる。昼と夜でその姿を変える、全国でも珍しい祭り。この形態の提灯山笠としては、日本最大規模を誇る。
約80人の担ぎ手が鉦(かね)や太鼓のお囃子に合わせて「ヨイトサ、ヨイトサ」の掛け声とともに進む様は圧巻だ。
毎年7月に戸畑地区内各地で行われ、期間中は日本全国から約20万人以上の来場者で賑わう。
この祭り期間で一番の盛り上がりを見せるのは、中日の夕刻に戸畑区役所前で開催する「戸畑祇園大山笠競演会」だ。4基の大山笠と、各地区の中学生が担ぐ4基の小若山笠の全8基が勢揃いする。大山笠だけでなく、中学生達が担ぐ小若山笠も必見。クライマックには追い抜きありの提灯大山笠自由競演では、豪快に進む山笠の迫力を味わえる。
8基の幟山笠が一斉に提灯山笠へと姿を変える「五段上げ」は必見。幟山笠の装飾をすべて取り払い、12段309個の提灯に彩られた高さ約10m、重さ2.5tの光の大ピラミッドへと姿を変える。開始の合図から約3分足らずでその姿を変え、完成した瞬間には、観客からも大きな拍手がわき上がる。洗練されたチームワークにより、次々と正確に提灯を積み上げて行く速さに注目しよう。
「五段上げ」の後、夜に運行される提灯山笠は「提灯山」と呼ばれ、この祭りの愛称にもなっている。普段は淡く灯る提灯だが、300個以上集まると大迫力。その様子はまるで巨大な炎のようにも見える。ダイナミックな提灯山笠を見て、この祭り特有の幻想的な空気を味わおう。
ドローンの使用禁止
レジャーシートや椅子などでの場所取りは禁止
道路の横断などは係員の指示に従う
安全のため、運行中や姿替え、解体中の山笠に近づかない
戸畑区へのアクセス
[最寄り駅]
JR鹿児島本線戸畑駅
会場
大山笠競演会
住所:福岡県北九州市戸畑区千防1-1(戸畑区役所前)
戸畑駅から徒歩で10分