高さ20メートルにもなる竹竿。その先端には提灯がつけられており、互いの提灯を空中で激しくぶつけ合う。「古河提灯竿もみまつり」は、相手の提灯の火を消しあうことで勝敗を決める祭りだ。竹竿は各チーム21人の若者で支え、「矢来」と呼ばれる丸太を組んだ囲いの中で争う。提灯が壊れても負け、竿が砕けても負け。火の粉が舞い散る中で、激しく揉み合う男たちの姿はまさに勇壮だ。
この祭りは、野木神社に伝えられる神事「七郷めぐり」に付随した行事に由来している。七郷めぐりは、野木神社に関係のある7つの村の神社を、神様が一泊ずつしながら巡るという行事だ。七郷めぐりを終えた神様の祭礼は「おかえり」と呼ばれ、提灯を手にした大勢の参拝客が出迎えた。その参拝客たちが寒さをしのぐため、手に竿を持ち、揉み合って暖をとったことが祭りの始まりとされている。150年経ってもなお伝統は受け継がれ、この地の冬の風物詩となっている。
各参加団体がそれぞれ21人のチームを作って、予選を勝ち抜いた上位8団体で決勝戦を行う「競技もみ」。毎年19:30頃から決勝戦は行われ、この祭り一番の盛り上がりを見せる。その他にも、すべての参加者で一斉に揉み合う「自由もみ」や、子供たちが10メートルの竿で一生懸命に提灯をぶつけ合う子供の部も行われる。火の粉が飛び散ったり、竹竿が折れる音が響いたり、まさに奇祭と呼ぶにふさわしい迫力だ。
祭りが始まると各チームの竹竿がずらりと並ぶ。竿の長さ、提灯の形、装飾。最低限のルールはあるものの、それぞれに個性と工夫が見られる。参加するからにはどのチームも勝つために必死だ。提灯の火が消えないように、壊れないようにと、細工をほどこしている。ぶつかり合う勇壮な光景だけでなく、祭りが始まる前の、各チームの提灯竿の仕様にも注目してほしい。
ぶつかり合って折れた竿が頭上に落ちてくることもあるので要注意
[最寄り駅]
JR宇都宮線:上野東京ライン・湘南新宿ライン「古河」駅
[最寄りバス停]
朝日自動車「朝日タクシー前」バス停
会場
古河駅西口おまつり特設会場
古河駅西口から徒歩1分
朝日タクシー前バス停から徒歩1分