佐久市の市民祭である「榊祭り」は、室町時代から続く500年以上の歴史を誇る伝統的な祭り。数百人を超える若者が、かがり火を焚いた松明を握りしめ、松明山から望月橋までの約2㎞の道のりを一気に駆け下りてくる。
そして、一斉に松明を望月橋から鹿曲川の清流へ投げ込む。若者たちが放つ松明は、闇夜に放物線を描いて次々に投げ込まれる。まるで火の滝のような光景は、息をのむほど幻想的だ。松明が投げ込まれた後は、青々とした榊の木を飾った4基の榊神輿を激しく地面に叩きつけたり、ぶつけ合いながら、荒々しく勇壮に練り歩く様も見どころ。また、雅な横笛の音とともに獅子舞が舞い、「望月小唄」に合わせた民謡流し(踊り)が行われる。
火と榊によって一切の不浄を祓い清め、五穀豊穣や無病息災を祈る祭りだ。
なんといってもこの祭りのハイライトは、若者たちが川に次々と投げ入れる松明が闇夜に描き出す火の滝のような幻想的な光景。そして、その後に続く榊神輿の激しいぶつけ合いだ。 奇祭と呼ばれるこの祭りのエネルギーを味わってほしい。
その他にも当日は、昼過ぎからオープニングセレモニーや子ども神輿が練り歩き、夜には獅子舞や民謡流し(踊り)などがあり、日本伝統の祭りの文化を見ることができる。昔ながらの暮らしの姿が残る信州、中山道望月宿一帯。 若者たちだけでなく、老若男女みんなで楽しむ地域の夏祭りの文化を味わってほしい。
神輿同士が激しくぶつかり合う際は、近くに寄ると危険なため離れて見物すること。
佐久市へのアクセス
[最寄り駅]
JR北陸新幹線 佐久平駅
会場
中山道望月宿一帯
住所:長野県佐久市望月263
<路線バス>
佐久平駅から路線バス「千曲バス中山道線(芦田行き)」に乗車(約30分)、「望月バスターミナル」にて下車。徒歩すぐ。