若宮おん祭は、人々の健康と豊作を祈り、若宮神社の神様「若宮神」を、神社のある春日の地へ迎えたことが起源で、1136年から1度もとぎれることなく続いている。この祭りでは、若宮神の神霊が、神様の休憩場所である「お旅所」へ遷され、精一杯のおもてなしをした後、24時間以内にお帰りになるというしきたりがある。神事に関わる人々は、様々な時代の衣装を身にまとい行列をなしてお旅所にいらっしゃる若宮神の元へと参拝する。そして、若宮神の前で日本の伝統芸能の音楽や舞を披露して感謝の気持ちを伝える。神秘的で厳かな神事と、行列で賑わう街の雰囲気を堪能しよう。
17日の0時に始まる「遷幸の儀」では、暗闇に笛の音が響く中、神様の休憩所である「お旅所」へと神官たちが神霊を遷す。このとき街灯は全て消され、松明の明かりだけが頼りだ。見物人は神様の姿を見てはいけないため、神官たちは何重にも輪をつくり神霊を榊の枝で囲んで進む。目の前を神官たちが通る際はお辞儀をして待つ。写真撮影、その他光るものは一切使用できず、私語も厳禁なので注意が必要だ。神秘的な雰囲気、暗闇と静寂を感じながら見学しよう。
17日正午から行われる「お渡り式」では、神事に関わる人々が行列をつくり、お旅所の若宮神の元へと向かう。この行列にいる人々は、平安時代から江戸時代まで様々な時代の衣装を身にまとっていて、とても華やかだ。春日大社へと続く参道の途中にある「影向の松」という木の前では、馬に乗ったまま弓矢で的を狙う「流鏑馬」や、二頭の馬が競争し迫力満点の「競馬」も行われる。
14時半ころ、お渡り式の行列がお旅所に到着すると、続けて「お旅所祭」が始まる。この儀式では、若宮神に青・黄・赤・白に染め分けて飾られたお米を納めた後、日本古来の伝統の舞が披露される。おん祭は芸能の祭りとも呼ばれており、数種類の美しい舞を23時ころまで鑑賞できる。
23時からは再び若宮神に御殿へお帰りいただく「還幸の儀」が行われる。遷幸の儀と同様に、写真撮影や光るものの使用は禁止されている。人々は厳しい寒さのなかでも、若宮神に一層の感謝を込めて参列する。
写真撮影ができない時間、場所もあるため職員の指示に従う。
奈良市へのアクセス
最寄り駅 JR奈良駅、近鉄奈良駅
路線名: JR大和路線線、近鉄奈良線
春日大社へのアクセス
奈良駅からバス
最寄りバス停 春日大社本殿
路線名: 奈良交通バス
下車すぐ
・春日大社の住所
奈良県奈良市春日野町160