若草山に火を放つ「山焼き」。山全体が赤く燃えあがり、夜空に浮かび上がる炎は幻想的だ。山焼きの起源には諸説あり、先人の慰霊のために芝を燃やすため、草木の芽吹きを促すためなどと言われている。奈良の都に1年の始まりを告げ、春を呼びこむ大切な祭りだ。この祭りには600発の花火も用意されており、山焼きに景気をつけるような華々しさだ。山から離れた場所からは日本の歴史的建造物と山焼きの美しいコラボレーションを見ることができる。迫力を感じたい人は山の近くから、夜景として楽しみたい人は遠くから山焼きを楽しもう(トップの写真は平城宮跡の朱雀門より撮影※多重露光により撮影されたもので、実際の見え方とは異なる。勝間田池も撮影スポットとして人気)。
山焼きは18:30から点火が始まり、法螺貝(貝殻を使った笛)、ラッパの合図で松明をもった約300人が、若草山に火をつけ始める。標高342mの、奈良を見下ろす山に火が回っていく様子は壮観だ。
山焼きの始まる少し前、18:15から花火の打ち上げが開始され、約600発の花火が祭りを盛り上げる。県内では唯一の「尺玉」という大きな花火もあり、迫力満点だ。空を赤く彩る山焼きと、華麗な花火の組み合わせを楽しもう。
山焼きが目立つこの祭りだが、17時頃からは、聖火行列が始まる。時代衣装をまとった山焼きの関係者が行列を作り、山を焼くための火を運ぶ。昔の役人や山の修行者の衣装をまとった人々を見ることができるので、時間に余裕のある人は、早めに会場に来てみよう。
ゴミが落ちていると、鹿が誤って食べ、病気になってしまう。ゴミは各自で持ち帰ろう。
当日の若草山への立ち入りは、非常に危険なため禁止されている。
若草山へのアクセス
最寄り駅 近鉄奈良駅
路線名: 近鉄奈良線
駅からはバスに乗り換え
最寄りバス停 東大寺大仏殿春日大社前
路線名: 奈良交通バス「市内循環外回り」
その後徒歩で約15分
若草山
奈良県奈良市雑司町
平城宮
奈良県奈良市佐紀町
勝間田池
奈良県奈良市七条2丁目