菜種の花が咲き乱れる3月25日に「菜種御供大祭」は行われる。菜種とは菜の花のこと。油の原料や食材としても用いられるが、日本では観賞用としても人気が高く、古くから俳句や童謡に歌われてきたりと日本人に身近な花だ。この祭りは、くちなしの実で染めた菜種色の団子をお供えすることで、道明寺天満宮の神様である菅原道真公の御霊を慰めることが目的。神社がある大阪の河内地方では、春を告げるイベントとして「河内の春ごと」と呼ばれ親しまれている。お供えしたお団子には病気平癒のご利益があり、祭り前日の24日~26日の間であれば誰でも授かることができる。祭り最大の見所は「稚児行列」。幼い子どもたちが着物に腕を通し、ご近所を練り歩いて菜種をお供えする。この微笑ましい光景は、祭り当日の13時から見ることができる。
祭り最大の見所は、「稚児行列」。道明寺天満宮の神様である菅原道真公に、菜の花をお供えするため、3~9歳くらいの子どもたちが着物を装ってご近所を練り歩く。地元の子どもであれば一度は経験する行事だが、地元の出身でなくとも事前に申し込めば参加が可能。
お供えした菜種色の団子(菜種御供)は、誰でも手に入れることができる。食べれば病気が治ると信じられているので、大切な人へのお土産としてもオススメだ(一袋5個入りで500円)。菜種御供は、25日の祭り当日でなくても、24~26日の間であれば授かることができる。
菅原道真公は1,100年以上前に実在した政治家。政略によって地方に飛ばされることになった道真公は、その旅の道中でおばの覚寿尼公が住む道明寺に立ち寄る。その日は、春の訪れを感じるような暖かい季節で、辺り一面には菜の花が咲いていたという。道真公が出発した後も、旅の無事を祈って毎日料理をお供えしていた覚寿尼公。その飯を粉にして黄色の団子をこしらえたところ、病気平癒の効果があるとして、参拝者が集まり現在の祭りへと発展していった。
神事であることを心がけ、神様へのお参りも忘れないこと
道明寺天満宮へのアクセス
大阪府藤井寺市道明寺1-16-40
[最寄り駅]
近鉄南大阪線:「道明寺」駅
道明寺駅から徒歩3分