「仙台七夕まつり」は約400年前、この地を治めた伊達(だて)政宗(まさむね)公が豊作と技芸上達を祈って七夕行事を推奨したのが始まりといわれている。この祭りの特徴は、仙台市内全域を埋め尽くす笹飾り。中心部商店街を彩る豪華絢爛な笹飾り、周辺部商店街の昔ながらの素朴な笹飾りなど、仙台の夏の風物詩として清涼感とともに訪れる人々の目を楽しませてくれる。
仙台七夕まつりでは「七つ飾り」を飾ることが伝統だ。七つ飾りには「吹き流し(ふきながし)」、「短冊(たんざく)」、「紙(かみ)衣(ころも)」、「折り鶴(おりづる)」、「巾着(きんちゃく)」、「投網(とあみ)」、「屑(くず)篭(かご)」があり、それぞれに願いが込められている。例えば、「紙衣」は無病息災と裁縫の上達、「巾着」は節約と商売繁盛など。最も目に留まる「吹流し」は七夕伝説に登場する織姫の織り糸を表し、技芸の上達を願うもの。街中の飾りを見上げて七つ飾りの意味を感じるのも楽しみ方のひとつだ。
仙台七夕まつりの主役はなんといっても街中を彩る多種多様な笹飾り。特に市の中心部の商店街では頭上に所狭しと並ぶ豪華絢爛な笹飾りは圧巻の光景。市内に飾られている笹飾りは、和紙で毎年一つ一つ丁寧に趣向を凝らして作製されており、それぞれデザインが異なるためどれを見てもユニークで楽しめる。
日本における七夕まつりの風習として、古くから「短冊」という紙に和歌や願い事を書いて、その願いが叶うように、技芸や字が上達するようにと人々は祈っていた。仙台七夕まつり期間中、もし街中で短冊が書けるところを見つけたら、ぜひ願い事を書いて飾ってみよう。
仙台七夕まつり期間中には市内各所で様々なイベントが催される。おまつり広場(勾(こう)当台(とうだい)公園市民広場周辺)では、ステージや食事処が設置され、仙台の歴史や伝統文化を感じられるイベントや食事なども楽しめる。また、市街を一望できるビュースポットでもある仙台城跡(青葉城跡)では、ナイトイベントとして武将隊の演武も行われる。お祭りとともに、仙台の夏をゆっくり楽しんでほしい。
・仙台七夕まつりで飾られている多くの笹飾りは、触ることはできるが、和紙で作られているため引っ張ったり破いたりすることは厳禁。
・毎年3日間で約200万人の人が訪れるため混雑が予想され、時間にはゆとりを持って移動すること。
仙台市へのアクセス
[最寄り駅]
JR仙台駅
会場
・おまつり広場(勾当台公園市民広場)
宮城県仙台市 青葉区本町3−9
※仙台市地下鉄「勾当台公園駅」下車