「浜松まつり」は、その年に生まれた初子の誕生を祝うおまつり。子どもたちの健やかな成長を願い、地域が一体となって祝い合う全国的にも珍しい神社仏閣の祭礼とは一切関係のない市民参加型のまつりだ。昼間は中田島凧揚げ会場を舞台に、子どもの誕生を祝う「初凧」が空高く揚げられ、夜は市の中心部が舞台になり絢爛豪華な御殿屋台がお囃子や掛け声とともににぎやかで優雅な競演を繰り広げる。170町以上が参加し、各町で凧印、御殿屋台、法被のデザインも異なり色とりどりに街が彩られる。
浜松まつりの始まりは、約450年前の永禄年間(1558~1569年)に、当時の浜松を治めていた城主が長男の誕生を祝って高く凧を揚げたことが起源であるとされるが定かではない。ただ、地理的・気候的にも強い風が吹く浜松は凧揚げに好条件であり、子どもの誕生を祝う初凧の伝統が現在まで受け継がれている。
浜松まつりを象徴する「凧揚げ合戦」は、3日間にわたり海に近い広大な中田島凧揚げ会場で開催される。市内の各町から自慢の凧を持って、まつり参加者と見物者が集結。初日の3日は子どもの誕生を祝う大凧が力を合わせて空高く揚げられ、4・5日には各町が互いの糸を絡ませ、擦り合いながら相手の糸を断ち切る「糸切り合戦」で盛り上がる。浜松まつりならではの熱気あふれる凧揚げは必見だ。
3日間ともに夜18時30分から市内中心部で始まる「御殿屋台の引き回し」には、各町が趣向を凝らし、精巧な彫刻を施した豪華な屋台が集結。沿道に詰めかけた大勢の見物客に見守られながら中心部を巡る。屋台の上ではきれいに薄化粧をした子どもたちがお囃子を奏で、華を添える。華麗な美の競演が繰り広げられる様は時代絵巻のようで圧巻だ。
Picture provided by Hamamatsu Visitors & Convention Bureau
・凧揚げ会場内の芝生エリアには浜松まつり参加者(正規の法被着用者)しか入場不可。見学の場合は指定の観覧席を利用すること。また、凧が落下する場合があるため常に上空には注意すること。凧の糸は絶対に手で掴まないように注意、大怪我につながる恐れあり。
・御殿屋台引き回しの際は、脚立等に乗っての見物、道路への飛び出しは禁止。
・凧揚げ会場、市中心部会場を含む浜松まつり関連全てのイベントにおいて、ドローン(小型無人機)の飛行を全面的に禁止。
浜松市へのアクセス
[最寄り駅]
JR浜松駅
会場
・中田島会場(凧揚げ合戦)
静岡県浜松市南区中田島町(中田島砂丘付近)
・市中心部会場(御殿屋台引き回し)
静岡県浜松市中区(浜松駅周辺)