日本では古くから、身の回りに起きる不思議なできごとや怪奇現象を「妖怪」のしわざと考えてきた。妖怪は幽霊とは異なり、その姿に形や実体を持っていて、アニメのキャラクターとしても描かれる。人間にいたずらをする妖怪や、幸福をもたらす妖怪など、その種類は様々だ。日本人にとっての妖怪は、恐れつつも親しみを感じる存在なのだ。祭りの舞台となる山城町は、日本でも有名な妖怪発祥の地と言われていて、60種類以上の妖怪が伝承されている。「妖怪まつり」は、妖怪の伝承を目的として2000年に始まり、最大の見所は、様々な妖怪の着ぐるみを着て行うパレードだ。町のあちこちには妖怪が出現したスポットがあり、モニュメントが設置されているので、それを散策するのも一つの楽しみだ。
自然に囲まれたこの町では、人間にいたずらをする妖怪の話を利用して、森や崖などの危険な場所から子供を遠ざけてきた。また、妖怪の存在を伝承することで、自然災害から身を守り、山の神へ敬意を払うことも行われてきた。そのため、町の人々の暮らしと妖怪は深くつながっているのだ。町には妖怪の展示を行っている「妖怪屋敷」や、妖怪が出現した場所を示すモニュメントが存在する。妖怪づくしの美しい渓谷を堪能しよう。
13時40分頃から、いよいよ妖怪パレードが始まる。住民の手作りの着ぐるみからは、妖怪の恐ろしさと親しみやすさを感じる。たくさんの妖怪が行列を作る様子を見に行こう。なお、行列には、海外の妖怪でも着ぐるみをかぶれば参加することができる。これからは人間だけでなく、妖怪の国際交流も盛んになるかもしれない。
アクセス
最寄り駅 JR大歩危駅
路線名: JR土讃線
旧上名小学校
住所:徳島県三好市山城町上名
駅から会場までは徒歩90分。タクシーで20分。