田遊びには「予祝」の意味がある。田植えのシーズンが始まる前に、予め五穀豊穣や子孫繁栄を祝うことにより、その実現を祈るというものだ。板橋の田遊びは「徳丸北野神社田遊び」と「赤塚諏訪神社田遊び」からなり、それぞれの神社で行われる。一年の稲作を演劇のように模倣して演じることで、その通りの豊作になるよう願いをかけるのだ。
祭りの途中では、子孫繁栄・安産祈願を表したユーモラスなキャラクターも登場。むかしの人々にとって、豊作と子宝がいかに地域の中で重要なものだったかが感じられる。
この行事は、かつて大水田地帯だったこの地で1000年以上の間、1年も休まず行われてきた。日本人の稲作にかける熱い魂がここにある。
一年の稲作を模して演じられる「田遊び」。田植え、稲刈りなどを表す詞章や所作によって五穀豊穣・子孫繁栄が祈られる。
上の写真では少年が抱き上げられているが、これは田植えを意味する動作。稲と子どもの健やかな成長を表している。どの所作が稲作のどの工程を表しているのか想像しながら見学してみよう。なぜ祭りが夜なのかというと、かつては秘事で夜通し行われた神事だったため。むかしから伝わる日本の農耕文化を感じよう。
赤塚諏訪神社では、田遊びの奉納が終わると、正月飾りなどを積み上げたものを燃やす「お篝り」が行われる。旧年中の不幸を焼き払い、新年の幸せを願う炎を見に行こう。
見学の際は、祭りの雰囲気を大切にしよう
(祭りは神事であり、厳粛な雰囲気の中で行われる)
一年で最も寒い時期のため、防寒対策は万全に
車での来場は不可
板橋区へのアクセス
[最寄り駅]
徳丸北野神社 東武東上線東武練馬駅、成増駅
赤塚諏訪神社 都営三田線新高島平駅、東武東上線成増駅
会場
徳丸北野神社
住所:徳丸6-34-3
・東武練馬駅から国際興業バス(徳丸循環)乗車、「北野神社前」バス停下車すぐ
(バス乗車時間 約10分)
・成増駅から国際興業バス(赤羽行き)乗車、「紅梅小学校前」バス停下車後、徒歩5分
(バス乗車時間 約10分)
赤塚諏訪神社
住所:大門11-1
・新高島平駅から徒歩15分
・成増駅から国際興業バス(高島平操車場行き)乗車、
「大門竹の子公園」バス停下車後、徒歩3分
(バス乗車時間 約10分)