二年に一度、愛宕神社で行われるお祭り。急勾配で有名な「出世の石段」をお神輿が行き来する様子は必見である。提灯を付けたお神輿が町内を巡行した後に、石段を勢いよく登って行く様子は大変勇壮だ。一年の感謝を神に捧げるこの神事は、愛宕神社で一番大きなお祭りとされている。この祭りの名前でもある「出世の石段」とは、江戸時代、当時の将軍徳川家光から、「(急なこの)石段を馬でのぼって梅を取ってこい」という無理難題を受け、家臣たちが皆怖じ気づく中、曲垣平九郎(まがきへいくろう)という人物が臆することなく石段を登り、日本一の馬術の名人と讃えられたことに由来している。社のある愛宕山は、天然の山としては23区内で一番高い山とされており、境内は外のオフィス街とは少し違う雰囲気が漂っている。愛宕神社には防火・防災や商売繁盛、恋愛、縁結びなどのご利益がある。
このお祭り最大の見所は、石段を登り降りするお神輿だ。急勾配の石段を行き来するお神輿の迫力は、手に汗握る勇壮さである。お祭りのクライマックス、石段を登りきった瞬間には、観客から大きな拍手が沸き起こる。
愛宕神社正面の男坂、通称「出世の石段」を是非登ってもらいたい。86段の石段は一段毎が高く、成人でも上まで登りきる頃には息が切れているだろう。この石段を登れば、お神輿を担いで登り降りする担ぎ手達の凄さも体感出来る。(隣には緩やかな階段もある)
東京都の港区でビル群に囲まれた立地だが、その境内は緑が豊かな都会のオアシスの様な環境だ。池には鯉が泳ぎ、実に情緒溢れる空間になっている。木漏れ日が残暑の暑さをも遮り、神聖な雰囲気を演出している。祭りの勢いとは真逆の神聖な静寂を感じることができる。
・御神輿を担ぐときは、指定の半纏を着用。
半纏は神社に問い合わせのうえ、保証金10,000円(返却時に返金)とクリーニング代1000円でレンタル。購入の場合は一着25,000円
・靴での参加は不可。地下足袋を履く必要がある。
・境内および神輿周辺は、狭い場所もあるので押し合いに注意が必要。
・雨が降るなど、石段が濡れると滑るので注意。
愛宕神社
住所:東京都港区愛宕1丁目5番地3
電車:東京メトロ日比谷線 「神谷町駅」出口3(徒歩5分)
東京メトロ銀座線 「虎ノ門駅」(徒歩8分)
都営三田線 「御成門駅」(徒歩8分)
JR 「新橋駅」(徒歩20分)
バス:都営バス 東98(東京駅南口~等々力)「愛宕山下」下車
都営バス 渋88(東京駅八重洲口~渋谷駅)「虎ノ門三丁目」下車