この祭りでは、御車山と呼ばれる7基の美しい装飾が施された山車を見ることができる。7基の御車山は、山町と呼ばれる各町が保有しており、1基ずつ装飾に工夫がこらされている。高岡は伝統的かつ優れた工芸技術を持つ地域で、金工、漆工、染織などの細かな細工は、どの御車山も目を見張る美しさ。お祭り当日は、12時に7基の山車が勢ぞろいした後、高岡の山町一帯を巡行する。勢揃いした御車山の風格は堂々としていて、最大の見所でもある。巡行の際、御車山は車輪を軋ませて進み、近づくほどに迫力を増す。高岡御車山祭は、2016年12月1日、ユネスコ無形文化遺産にも登録された。約400年もの間、町民によって受け継がれてきた祭りの伝統と美しい御車山は、日本が誇る遺産の一つだ。
御車山の原型は御所車とよばれ、天皇が移動するときに乗るものだった。その後、高岡を治める藩主が譲り受け、1609年に町民へ御車山を与えた事が祭りの始まりと言われている。町民たちは、高岡の発展を願い御車山への装飾を重ね、御車山を守り続けてきた。現在でも町民たちの心意気は変わらず、山車は日本でも屈指の華やかさを保っている。
御車山は、それぞれを山町とよばれる各町が所有していて、7基の御車山の頂上部には、鉾留という飾りが付いている。鉾留は胡蝶や五鈷鈴、鶏などそれぞれに異なるモチーフがあり、曳き手の男たちの衣装とともに、町ごとの装飾の違いを楽しめる。衣装の法被は、町の特徴である鉾留の柄とともに龍や車輪、鯛などがあしらわれている。
御車山が巡行する際に車輪から聞こえるのは、木が擦れきしむ音。それは長い間、町民が高岡の地で御車山を守り続けてきたからこそ聞ける音だ。角を曲がるときやUターンするときには一層大きく聞こえ、男たちの掛け声とともに迫力を増す。車輪の音から御車山の歴史を想像してみよう。
高岡御車祭の前日の4月30日には、ライトアップされた御車山を各町で展示する宵祭・ライトアップが行われている。御車山が披露される他、人形や飾り付けされた様々な部材も展示されている。日中のきらびやかな雰囲気とは違い、夕暮れの中豪華絢爛な雰囲気がゆったりと味わえる。お囃子の演奏や、記念品の配布も行われる。ライトアップ展示は4月30日18:30~21:00。
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山車が動いているときは巡行の妨げにならないように配慮する
富山県高岡市片原町周辺
会場へのアクセス
最寄り駅: 高岡駅駅、
路線名: あいの風とやま鉄道線線
高岡駅から徒歩約10分
最寄りバス停: 高岡駅前停
路線名: 小杉・富山方面行など
高岡駅前バス停から徒歩約10分