200年以上前から続く丹生祭は、「笑い祭」の別名で親しまれる、笑いで福を招く風変わりな祭りだ。白塗りの化粧に、おどけた衣裳をまとった「鈴振り」が、鈴を片手に「エーラクシャー、ヨーラクシャー(家楽じゃ、世は楽じゃ)」と声をあげ、笑いながら神輿を先導する。
笑い祭の起源は神話の時代にまでさかのぼる。全国の神様が一堂に会する会議にうっかり遅刻し、ふさぎ込んでしまった地元の神様である丹生都姫命。心配した村人たちが慰めるため、元気づけようとしたことからこの祭りが始まった。獅子舞(獅子の頭と布を纏って踊られる舞)や伝統芸なども披露され、絶えず笑い声が響き渡る。明るく賑やかな光景の中にも、幸せを願って湧き出るエネルギーを感じてほしい。
祭りの最初の見どころは「鬼の出会い」である。4つの地区が合同で行うこの祭りは、あいさつの意味を込めて各地区の鬼が舞を披露する。陽気な祭りの中でも、おごそかな雰囲気を味わえる貴重な時間だ。
「笑え、笑え」と声をあげながら進む行列は、時にコースをはみ出して、川の中へと容赦なく突き進むことがある。予想もつかない珍道中。「鈴振り」も、神輿の担ぎ手も、ヘトヘトになりながら、それでも声を出して笑ってはしゃぐ。その姿を見れば、きっとあなたも笑うはず!
「鈴振り」と神輿が神社に戻ってくると、祭りは最高潮をむかえる。4地区でそれぞれに受け継がれる伝統芸や四つ太鼓((太鼓を載せた山車の一種)を披露したり、祭礼用の大きな旗を掲げたりして神様に奉納する。最後には全地区一斉に獅子舞を披露するなど、祭りを一日中楽しむことができる。
祭りの進行を妨げる行動(例えば、動線を妨げるなど)は禁止。
神輿の担ぎ手などはお酒を飲んでいるため、からまれたりすることもあるので注意しよう。
写真撮影は可
日高川町へのアクセス
最寄り駅
JR紀勢本線「和佐」駅
会場
丹生神社
日高郡日高川町江川1956番地
和佐駅(無人駅)から約4km
JR紀勢本線「御坊」駅からタクシーで行くのが便利(約15分)