毎年8月26日、27日に北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の両社で執り行われる「鎮火大祭」は、日本三奇祭のひとつに数えられ、「吉田の火祭り」として知られる。26日15時より北口本宮冨士浅間神社にて神事がはじまり、勢子(せこ)(担ぎ手)によって「明神神輿」と富士山型をした「御山神輿」が、一晩の宿となる「御旅所(おたびしょ)」へ納められるのは夕刻頃。時を同じくして、高さ3メートルの大松明70余本や、家毎に積まれた松明に一斉に点火される。街中が瞬く間に火の海と化し、祭りは深夜まで賑わう。
27日、御旅所に納めれていた2基の神輿は午後より富士吉田市内を練り歩き、夕闇が迫る頃、浅間神社に到着する。神輿の後に従い高天原を廻ると祭りはクライマックスへ。境内の高天原(たかまのはら)という場所を廻るとき、「すすきの玉串」をもって見物をすることから、「すすき祭」と称されます。
この祭りで重要な役割を果たすのが「世話人」と呼ばれる北口本宮冨士浅間神社への奉仕役。周辺三町(宿とも呼ぶ)から、町を代表して14名の青壮年男子が選ばれる。
神社の主要な年間行事に関わり、火祭りにおいてもさまざまな奉仕作業に身を投じる。大松明への奉納寄進者を募る仕事が特に大切な任務とされており、半年前より寄付集めに奔走する。8月ともなれば自らの仕事も休み、祭りの準備に忙殺されるという。
今でも、火祭りを終えた随神門の前では、重責を果たした彼ら一同の男泣きする姿がある。
「お山さん」とも呼ばれる富士山を模した「御山神輿」は、年若い勢子(担ぎ手)によって荒々しく担がれる。中でも興味深いのは、重さ1tもの「お山さん」を地面に落とす、神輿に対しては珍しい行為。27日の午後、神輿が市内を巡航する途中、ドスン、ドスン、ドスンと迫力ある音と共に3回叩きつけられる。この行為は、その昔、噴火により災害を引き起こした富士山の身代わりとして「お山さん」を叩きつけることで富士山の噴火が鎮まるよう祈願しているとのこと。道中4箇所で行われる豪快な儀式を一度はご覧あれ。
「吉田の火祭り」のクライマックスが、北口本宮冨士浅間神社で行われる27日の「すすき祭」。夕闇を迎える頃、上げ太鼓が鳴り響き神輿がなだれ込むと同時に、見物客も交えて境内にある「高天原(たかまのはら)」を廻る。なだれ込んできた勢子の勢いはそのままに、300人の見物客を従え走る姿は壮観! 祭りの熱気は渦となり、最高潮に達する。
「高天原」を「明神神輿」は2回廻り、見物客は「御山神輿」が合流する3回目から参加できる。
建てられる前の大松明に座らない。
大松明に触らない。
神輿に近づかない。
神輿の進路を邪魔しない。
世話人さん(お祭り・神社関係者)の通行を邪魔しない。
26日は、大松明の左側を通行すること。
富士吉田市へのアクセス
[最寄り駅]
富士急行線富士山駅
会場
北口本宮冨士浅間神社と周辺上吉田地区
住所:山梨県富士吉田市上吉田5558番地
富士山駅から徒歩で5分